澄んだ瞳に
「今度、俺に付き合えって言ったの……?」
「……うん。」
やっと、智香が、理解してくれた。
「でもさ、どっちにしたって、澪は、矢崎さんから誘われたのには、変わりないじゃん…」
「そうだけど……」
「なに?なに?澪、嬉しくないの?年は離れてそうだけど、かなりのイケメンだよ……しかも、矢崎コーポレーションと関係があるとしたら……?」
智香が、私を見て、ニヤリと笑った。
「玉の輿じゃ〜ん!」
「智香……」
「…ん?どうした……?」
「誘われる理由がない…」
「……えっ?どういうこと……?」
「だって、助けてもらったのは私たちで、助けてもらった恩を返すのは、私たちの方だよね……それなのに、感謝してるなら、俺に付き合えって……」
「……よく考えたら、確かにおかしいよね……」
「うん……。」
「何かの口実かな……」
「……口実?」
私は急に不安になり、咄嗟に携帯電話の番号を教えたことを後悔した……