澄んだ瞳に
ドリンクは、ドリンクホルダーに、ポップコーンは、それぞれ一つずつ、膝の上に置いた。
「あっ、携帯電話、マナーモードにしないとね…」
私たちは、鞄から、携帯電話を取り出し、マナーボタンを押して、また鞄の中に仕舞った。
上映時間になり、劇場の中は、スクリーンの明るさのみとなった。
上映開始して、しばらく経った時に、携帯電話のバイブが鳴った。
ブー、ブー、ブー…
マナーモードにしているとはいえ、バイブの振動が気になる。
メールでもHLDを押せば鳴呼時間は短縮される。
私は急いで、鞄から携帯電話を取り出した。
ディスプレイには、携帯電話番号の表示……
未登録からの着信
……誰だろ?
間違い電話かな……
電話の相手より、映画が気になり、携帯電話を鞄に仕舞い、スクリーンへと、目を向けた。