澄んだ瞳に
映画を見終わり、映画館から出て、時計を見ると、2時だった。
「お茶でもしてから、帰ろっか……」
「そだね……」
私たちは、学校帰りによく行くカフェに入った。
「ねぇ、ほんとに矢崎さんから、連絡あったら、澪どうするの…?」
「……どうしたらいいと思う?」
「澪は、どうしたいの……?」
ほんとは、逢いたい……
智香に何て言えばいい?
「……わからない……」
「わからないって……澪、もしかして……」
私の目をジッと見ている……
「……自分でも、よくわからないけど、なんだか気になってるような……」
今の自分の気持ちを智香に伝えた……
「澪、それって……矢崎さんが好きってことじゃん……」
「……えっ…」
「澪は、あの時、矢崎さんに一目惚れしたんだよ…」
智香に言われて、ようやくそうなのかな……と思った
「逢いに行きなよ……逢いたいと思ってるんでしょ?」
と、智香が言った。
「……でも」
「深く考えないで、逢うだけでもいいじゃん……また逢えたって思えば……あの時みたいに、偶然だったって……」
「……うん…」