澄んだ瞳に


「私さ、前々から思ってたんだけど、岡田って、澪のことが好きじゃないのかなって。」


智香が、私の顔を見た。



「……えっ? そんなことないよ〜…」



「いいや!絶対にそうだって…」



「どうして?岡田君は、もてるから、女の子から、告白されてるみたいだし…」


「確かにね!」



「……………。」


智香が何を言いたいのか、わからず、私は返す言葉も見つからず、黙ったままだった。



智香が言った。

「澪が言うように、女の子から、たくさん告白されてるみたいだけど、あいつ誰とも付き合ってないみたいだよ。それって、好きな子がいるから、OKしないんじゃない?」



「私もサッカー部のマネージャーから聞いたけど、もう一人のマネージャーが岡田に告ったんだって。でも岡田が、その時に言ったのが、『俺の彼女はサッカーだから……』って、あっさり断られたんだってよ。」

沙希が、友達から聞いた話をすると



プッ


「……何、それ?」


??


「俺の彼女はサッカーだから? そんな臭いセリフ今でも言うやついるの?」


智香が言ったことで、沙希と理世が笑った。


アハハハ―


「でもさ〜、それって、やっぱり岡田には好きなやつがいるってことじゃん。」


「ほんとに、サッカー命ってことじゃないの?」


私が、言った。



「違うよ! 女の子に告られて、断る口実だよ。」



「口実?」



「だって、好きなやつがいるから、付き合えないって言われた方は、ダメージ大きいよ。だから、サッカーが彼女だからって言えば、はっきり断られるより、ましでしょ。第一、そんな臭いセリフ、心底信じてる子はいないだろうけど……」


「ふーん」



「ふーんって……」



ハァー………

智香が大きくため息をついた。



………??






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