澄んだ瞳に




「でも、案外、矢崎さんも、一か八かの賭けに出たのかもね……」


智香が、一人頷いていた。



「矢崎さんから、いつ連絡くるのかな……なんか、楽しみだね…」




「ほんとにくるのかな…」

きて欲しいと思った……


でも、また連絡する!としか言ってなかった……


もしかしたら、ガキだと思って、からかわれているだけかもしれない……




「映画観るのにマナーモードにしてたけど、その間に連絡くれてるとか……」




すっかり忘れていた……

映画の上映中、バイブが鳴ったので、鞄から取り出したんだ。

確かに、ディスプレイには未登録からの着信だった。



「そう言えば、映画観てる時に、未登録からの着信があったよ…」



「矢崎さんからじゃない?」



「……まさか……」


そうだったら、嬉しいと思う、私だった。



「確かめてみなよ……」




「……う、うん。」




鞄の中から、携帯電話を取り出した……







< 50 / 277 >

この作品をシェア

pagetop