澄んだ瞳に
「でも、案外、矢崎さんも、一か八かの賭けに出たのかもね……」
智香が、一人頷いていた。
「矢崎さんから、いつ連絡くるのかな……なんか、楽しみだね…」
「ほんとにくるのかな…」
きて欲しいと思った……
でも、また連絡する!としか言ってなかった……
もしかしたら、ガキだと思って、からかわれているだけかもしれない……
「映画観るのにマナーモードにしてたけど、その間に連絡くれてるとか……」
すっかり忘れていた……
映画の上映中、バイブが鳴ったので、鞄から取り出したんだ。
確かに、ディスプレイには未登録からの着信だった。
「そう言えば、映画観てる時に、未登録からの着信があったよ…」
「矢崎さんからじゃない?」
「……まさか……」
そうだったら、嬉しいと思う、私だった。
「確かめてみなよ……」
「……う、うん。」
鞄の中から、携帯電話を取り出した……