澄んだ瞳に




プルルルー


カチャ!


早っ!

ワンコールで出た……




ビックリしている私に、それ以上に、ビックリする言葉が飛び込んできた。




「遅いっ!」




怒ったような低い声で、一言だった。




「……はっ?」




いきなり?

遅いっ!

何それ……

何時になってもいいから、電話しろ!って……

なんで……

怒られるの……?




「はっ?じゃねぇだろ?遅いっ!って言ってんだ!」




「……あっ、ごめんなさい。」



やはり、矢崎さんは怒っているようなので、謝った。




「あ〜…。」




……何?

怒った後は、黙りですか?
からかわれてるのかな……




「…あの…お電話をいただいたようですが……。」



私は、恐る恐る、矢崎さんの様子を伺うように言った



「今度の日曜日、10時に駅で、待ってろ!」




「……はっ、はい!」




「じゃ〜な!」




ブチッ!


プー、プー、プー…………



矢崎さんは、用件だけを私に伝えると、早々と電話を切った。





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