澄んだ瞳に
澪からの電話が、いつかかってくるのかが、気になって、仕事が手に付かねぇ
山のように、積まれた書類、その全てに目を通して、承認の印を押さないといけない。時間を費やす作業だ
今日も残業だな!
澪からかかってくる電話に、すぐに出れるように、携帯電話は机の上に出しっぱなしだった。
普段の俺は、仕事は仕事、プライベートはプライベートと、はっきり区別を付けている。
だから、仕事中に携帯電話が机の上にあることなど、無かった。
携帯電話のバイブが振動する。
俺は、すぐに携帯を取り、ディスプレイを見る……
メールか……
ガックリと肩を落とす。
それから、何度かバイブが振動する。
その度にディスプレイを見るが、メールや澪以外からの着信ばかりだった。
何時になっても、いいから電話しろ!
何時になっても…
何時っていつだ?
今日だよな?
自分で言っといて、何だかおかしくなってきた。
ハハハッ……
もう一度、電話してみるか……
電話を手に取り、携帯電話を開けた時だった。
ブー
すぐに出た。
待ちわびた、澪からの電話だった。