澄んだ瞳に
矢崎さんは、ゆっくりと顔を上げ、私の方に顔を向けた。
目が合った……
矢崎さんの目は、私をじっと見つめている。
あの時と、同じ目。
見つめられていると、なぜか不安な気持ちもかき消される。
私の目を見つめたまま、またゆっくりと話始めた。
「澪、俺はお前のことが好きだ。」
矢崎さんは、私の左手を取り、ギュッと握り締めた。
そして、また話続ける。
「今日、俺が行きたいところ…俺が一番大好きな場所で、お前に俺の思いを告げるつもりで、お前を誘ったんだ。」
そうだったんだ……
私を誘った理由……
私に思いを告げるため?
「俺の一番大好きな場所に着いたら、きちんと話を、するから、先に、そこへ行ってもいいか?」
私は、うん! と頷いた。
「ありがとうな、澪」
再び、車は走り出し、矢崎さんの一番大好きな場所へと向かった。