澄んだ瞳に




「お前が、家に入るまで、ここで見ててやっから……」



車から降り、歩き出した。




後ろから、矢崎さんに見られてると思うだけで、恥ずかしくなり、何度も何度も後ろを振り返る。




携帯が鳴った。


矢崎さんからだ。



「もしもし?」




「可愛い過ぎるんですけど……」




「だって、恥ずかしいんだもん……。」



「早く、行け!俺に、襲われてぇか?」



「キャッ……。」



それから、後ろを振り返ることなく、家の門扉を開けようとした時



「澪?」

と、矢崎さんが言ったので、私は、矢崎さんの方を見た。



「愛してる……。」




好き→愛してる

に、変わった。



「私も………。」



「私も? 何?」




「恥ずかしいよ〜。」



「澪?」



「……愛してる。」



「あ〜。」



「早く、入れ!」



「うん。」



バイ!バイ!




ドアを開け、家に入った。





< 77 / 277 >

この作品をシェア

pagetop