澄んだ瞳に
ハプニング
チュン、チュン…
鳥の囀ずりで、目が覚めた
7時
ベッドから起き上がった。
テーブルの上に置いてあった携帯のディスプレイが、チカチカと光っていた。
受信メール 1件
受信BOXを開けた
矢崎さんからだった。
――――――――――――
澪
おはよう!
今から、出勤だ。
淳
――――――――――――
それだけ?
でも、矢崎さんらしい。
私は、すぐに返信した。
――――――――――――
矢崎さん
おはようございます。
お仕事、頑張ってください
澪
――――――――――――
送信完了
すぐに、携帯が鳴った。
メールじゃない、電話だ。
矢崎さんからだ。
「もしもし?」
『矢崎さんは、止めろ!』
「……はっ?」
『名前で、呼べよ!』
「……あっ、はい!」
『いっぺん、呼んでみ?』
「………えっ?」
『名前!』
「あっ……、淳さん」
『呼び捨てで!』
「……淳。」
『澪?』
「はい。」
『愛してる。』
「私も……。」
『っ、そうじゃねぇだろ?』
「……愛してる。」
『誰を?』
「淳を……」
『俺も……。』
『それと、敬語もいらねぇっから……じゃ〜な、また連絡すっから。』
「……うん。」
電話を切った。
矢崎さんの仕事って、何してるんだろう?
私は、矢崎さんのこと、何も知らない。
名前と、年だけしか知らない。
今度、聞いてみよ。