澄んだ瞳に




パパとリビングに入ると、ソファーには、ママとお兄ちゃん、その向かいに淳が、座って、話をしていた。



パパに気付いたママが、


「おかえりなさい。今日は随分と早いお帰りね?」


と、言ったので、


パパは


「悠哉が帰って来るから、仕事を明日に回したんだよ。」


と、言った。


パパは、ほとんど毎日残業で、帰宅時間はいつも遅かたのだった。




「親父、おかえり。そして、ただいま。」


と、お兄ちゃんが言った。


すると、パパが淳に気付いて、


「お〜〜!淳君かい?」


と、パパも淳が来ていることに、ビックリしたように言った。



すると、淳は、スッと立ち上がり


「おじさん、随分とご無沙汰いたしまして……」


と、言って、深々と頭を下げた。



「まっ、堅苦しい挨拶は抜きにしよう。悠哉と久しぶりに飲むのを、楽しみにして帰って来たんだが、淳君が来てんだったら、尚更楽しい酒になるな!」


と、パパが言って、笑った。



「みんな揃ったことだし、夕飯にしましょ。」


と、ママが言った。


すると、淳は、


「あっ、俺はこれで失礼します。」


と、言った。



「何言ってるのよ、淳君も食べて行ってね。」


「そうだ、久しぶりに来たんだ、ゆっくりして行ってくれ。」

と、パパとママが、矢崎さんを引き止めるように言った。


すると、お兄ちゃんが


「そうしろって。仕事も済ませて来たって、言ってたろ?ゆっくりして行けよ。久々に淳と飲めると思って、俺も楽しみにしてんだぜ。なぁ?」

と、言った。



「それじゃ、お言葉に甘えることにします。」


と、矢崎さんが、言った。


そして、5人で、食卓を囲むことになった。





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