澄んだ瞳に
公園に着くと、隅に設置されたベンチに向かい、淳が、腰をかけた。
私は、少し離れたところに立っていた。
すると、淳は、隣においで?と、いうように、ベンチをトントンと叩いた。
私はベンチに近付き、淳の隣に座った。
淳は、タバコを1本取り出し、火を着けた。
どこか遠いところに目をやり、ゆっくりと味わうように、吹かしている。
昼間は子供たちの遊ぶ声で騒がしい場所は、子供の姿もなく、シーンと静まり返っていた。
その、静けさが、私の心を重くした。
西の空に、夕日が落ち、薄暗かった街灯が、青白く光り、日中の暑さを忘れるような涼しい風が、スーッと吹き抜ける。
心地よい風とは、裏腹に、私と淳の間には、長い沈黙が続き、重苦しくのし掛かるような、空気が流れていた。
その重苦しい空気を、打ち破ったのは……
淳だった。