澄んだ瞳に




16時15分

空港に到着


車を駐車場に預けると、到着ロビーに向かう。




16時30分着

到着済み と掲示されていた。




出口からは、続々と乗客が出て来た。



「お〜い! 淳!」


と、声がした。


悠哉だった。



「わざわざ迎えに来てもらって、悪いな!」



「あ〜。ちょうどお前に話もあったしな……。」



「……話? お前が俺に話って珍しくねぇ?」



「……だな。」




悠哉と駐車場へ向かい、悠哉の家へと車を走らせる。




――車中




「お前、今日、時間いけんだろ?」



「あ〜、全部済ませてある。」



「久しぶりに、俺ん家で飯食って帰れよ。」



「あ〜、…その前にお前に話ておきたいんだが。」



「……何?話って…」



「俺、お前の妹と付き合うことになった。」



「………って、澪…?」



「他に妹がいんのか?」



「………マジ……?」



「あ〜……」



「あっ、そっ。良かったな。で、話って、そんだけ?」



「あ〜。で、澪にはお前との関係を話してない。」



「俺に知らんぷりしてろって……?」



「出来れば………。」



「わかった。まだ親父やお袋も知らねぇんだろ?息子が先に知ってるっていうのも、ショックだよな。」



「近いうちに、おじさんとおばさんには、きちんと挨拶に行くよ。」



「って、お前………?」



「そのつもりで行く。」



「いつの間に、そんな仲になってたんだ?」



「………昨日。」



「参ったな……。2年も片思いして、いきなりか?ま、お前の気持ちが、澪に届いたんじゃねぇの。」



「お見通しってわけか?」




やはり、悠哉に感付かれていた。


だが、俺がいちいち言わなくても、全てを察してくれた。





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