LOVE IDIOT
「でもさー都さん、凄く嬉しそうだったね」

「うん、可愛かったねー!」

「都さんの肉まん、美味しかった」

「うん!」

この日も、最後なんだなー。
もう、都さんとも会えないのか・・・

「あ、メアド」

「ぎゃ!!わ、忘れてた!!」

今吹いている風も、止まっちゃう。

「・・・」

この感触を、憶えておこう。

―――――――――――


「あ、宮比ちゃんと華ちゃん」

私は京さんのところまで走る。
息が切れながら、喋ろうとした。

「ご、ごめんなさい!遅れましたっ!」

「ごめんね司〜!」

「ううん、大丈夫。僕達も今来たところだから」

午後一時。

今から私達は『温泉周り旅』をしに行くところです。
そしてココはロビー。

司と京さんと無事、合流。

でも、足りない人数。


ただいま一人。


「り、涼は・・・?」

「それがまだ来てないんですよー」

「えー?どうしたんだろう先輩」

「ったく、涼さんいつも僕には遅れるなって言うくせに・・・」



「誰が遅れたって?」



後ろの方で声がした。
心臓が止まる。

「涼!」

「ちょっと母さんと話してきた」

「そ、そうなんだ!」

あの二日から私達は、ちゃんといつもの幼馴染に戻っていた。

良かった、あの状態のままだったら意識しすぎて話せなかったもん。
うん、本当に良かった!

「じゃ、行きます?」

「うん、行こ行こ!!」

そう言うと華は司の腕に手をまわした。

もう、二人は本当のカップル。
あ、司照れてる。

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