LOVE IDIOT
「・・・は」

「え」

「いくら宮比が好きだからって、ただみ(=無料見)は許さないよっっ!!!」

「た・・・?(ただみって?)」

急に変な事を言い出す華。
なんつーか・・・相変わらず空気読めてないなぁ(笑)。

「ど、どうした華」

「ふんっ!!(実は嫉妬心)」

「・・・(呆れ気味)」



ふっ



「!」

涼は久しぶりに微笑む。
それを見た途端、私の心は少し弾んだ。

「華・・・離しなさい」

「(べーっだ!)」

「宮比」



ドキュッ



「え?!(『ドキュ』ってなんだ!!)」

「どうでも良いんだけど、兄貴と司が遅い」

「あ」

そーいやあの二人、いつまで経っても帰ってこない。
私はコーヒー牛乳をひと口飲む。

「僕探しに行ってくるから二人は待ってて」

「あ、わ、私も行―――――」


「いっつも良い所ばっかもっていかれてたまるかぁ!!」


「はいっ!?(ビクッ)」

さっきまで私の後ろに立っていた華は、まるで電光石火(言い過ぎかな)の様に涼の隣に移動していた。

は、早いっ!!!(驚)

「同じ陸上部としては負けられない!!」

「(え、華って陸上部だったっけ!?)」

「華ちゃんは入ってないで「負けないですからっ!!!(ギラッ!)」」

「(意味が分からない!!)」

急に華に変な対抗心とやらが生まれたみたいで。
目の炎がメラメラと揺らめいていた。
つーか、この場合に私は一体どうしたら・・・?

「じゃ、『いっせーの』のかけ声でスタートです!!」

「(話進んでるし!!!)」

「じゃ、いっせ―――――」





「お待たせー!!」





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