LOVE IDIOT
「ちょ・・・涼なんで鍵・・・」

「宮比、聞いて」

「わっ!」

私は涼に腰を掴まれると、軽々と持ち上げられた。
そしてベッドに座らせられる。

こ、怖い。

私の隣に座る涼、目が光っている。

「え、な・・・」

なんだか・・・無性に恐怖が生まれてきちゃって。
私は目を強くつぶった。

覚悟?正直ない。





「あれ誰」





「へ・・・?」

「昨日の奴、あれ誰」

「だ、誰・・・って誰よぉ」

ご、語尾が緊張のあまりのびてしまった。
ヤバい、今私の頭の中で保健室=エロいみたいな方程式が出来あがっている。

「だからさ、剣道部っぽい服着てた人」

「ぁ、あっ!司のこと?」

「!」

な、なんだ司のことかぁ・・・ちょっと安心した。

「話すと長いんだけど。昨日、私が外に出てたら泥棒がいてさ!で、剣道部の人から竹刀かりて泥棒退治して。そんで、その竹刀を借りた人が司っつって涼と同じニ年なん―――――」





ドサッ






「宮比、今『司』って言った?」

え、え、ゴメン。
なにこれ止めてよ。

ひ、久々に鼻血が出ちゃう。

「宮比」

「は、はい!?」

「今、『司』って言った?」

「あ、あぁ、言いましたけど・・・」

「なんで初対面のくせに呼び捨てなの?」

「・・・は」

「おかしくない?僕と初めて会った時は『涼ちゃん』だったのに」

涼は私の上にいて、私の両手首を固定している。
ちょ、しかも呼び捨てをおかしいって・・・

「ど、どうしたの涼?」

「言ったでしょ、憶えてないの?」

「え?」





「宮比は、僕のものなんだって」





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