LOVE IDIOT
「じゃ、そろそろ僕行くよ」

「あ、俺も」

「兄貴は一生お婆ちゃんの温泉につかってれば?」

「んだとっ!?(ムカッ)」






「みんな早くー!!そろそろ行く時間だよー!」

「涼!早くー!!」

「分かってるよ」

「京さんも早くー!!」

「今行くよー!」

ただいま午後4:00丁度。
バスが出る時間は6:30。

少し早めに移動した方が良いと思う私。

私は濡れた髪をマイタオルで拭く。

「ほら、津田さん待ってるんだから早く行くよ!」

「待ってよ」

「待ってって涼、そんな時間―――――」



きゅ



「えっ」

「じゃ、行こうか」

「(ちょ・・・)」

優しく私の手をとる涼。

バックにある夕暮れが、綺麗に涼を照らしていた。
なんだかこっちも優しい気持ちになる・・・


「あ、ちょっと待って!」


「どうしたの」

「忘れ物したみたい!!」

「なにをどこで?」

「携帯!温泉のかごに入れっ放しだった!」

あちゃー、なんかポケットが軽いと思ったら大事な携帯忘れてたよ。

私は涼の手を離す。

「ちょっと取ってくるね!」

「早くね、ここ暗くなるの早いから」

「分かってる!!」

そう言って私は走って旅館に戻って行った。


まだいてくれよ、マイ愛しの携帯!!



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