LOVE IDIOT

近いから

泥だらけの靴、傷だらけの手。

どれもこれも、君を見つけるため。

「(怖いよ)」

全て、感じているんだ。

「(宮比)」

負けたくない、奪われたくない。

待ってて、今すぐ会いに行くよ。

あと、もう少しだから。


 LOVE IDIOT
  近いから


「駄目・・・もう、無理・・・」



ドテッ



「はぁー・・・はぁー・・・」

私は乾いた土の上に座り込んだ。
なんで・・・なんで・・・?

私、ただ旅館に忘れてきた物を取りに行って来ただけなんですけど・・・!?


「はぁ・・・はぁ・・・(今何時だろう・・・)」

携帯を取り出して時計を見ると。



「4:56・・・!!」



もうすぐ五時、どうしよう結構ヤバいかもしれない。

「はぁ・・・はぁ・・・」

私はまた立ち上がり光のある方を歩く事にした。
待ってろよ、今行くから。





「・・・っ涼ぉおおおぉぉぉっ!!!」





男前・宮比が命に代えてでも!!(乙女はどうした)

「(でも、さすがに暗過ぎるな・・・)」

目標時間、5:10。

早瀬・宮比、それまでには辿りつけられるのだろうか!!
苦しいけど、頑張るっ!

「だから・・・」

涼も、助けに来て・・・!!!





「・・・遅い」

「超暗いじゃん・・・宮比早くー!!」

隣にいる華ちゃんはさっきから宮比が心配で心配でしょうがない。
そして、僕も心配だ。

ていうか、凄く嫌な予感がする。

「(メールしてみよう・・・)」



ピピッ



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