LOVE IDIOT


それから、約二分後。



「なんでぇえっ!!!」

急に降り始める大粒の雨。
そして、ついには。



ピシャアァアーンッ!!



「にゃああああぁぁっ!!?(泣)」

激しい雷まで!!

た、確かにさっき『雨や雷が降ってきても、待つ』って言いました。
はい、言いましたよっ!!

でも、でもねっ!?

これはさすがに酷いだろ!!!(どんな嵐よっ!!)

あ、雨宿りする所とかないしねっ!?

「ま、マジで助けて下さい・・・!!」

ただいま、5:00丁度っ!!

涼、早く助けにきてっ!!!





ガサガサッ・・・





「ぇっ・・・!?」

今、なにか音がした。
それも、凄く不気味。

すぐそこの茂みからだ・・・

「(な、なに・・・?!)」



バサバサッ



「きゃ・・・!」

荒々しく飛び去ってゆく無数の烏。

こ、怖い・・・!!

「(涼、早く来て・・・)」

軽くパニックな私。
・・・分かってる。

本当は別に男前なわけでもなくて、ただみんなより少し強いだけ。
こんな暗闇で一人になって、ずっと、涼を待ち続けることしか出来ない。



そこらへんにいる、普通の女子中学生。



「(だ、駄目だ・・・自然と自虐的になってる・・・)」

こんなに人って簡単に寂しくなるものなの?
いつからこの森、こんなに暗かった?

心臓がドクドク言ってるよ。

「(考えるな、考えるな・・・!)」

手が震える、寒い。
恐怖心、ただ私は立ち尽くすだけで何も出来ない。



臆病者。




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