LOVE IDIOT
『宮比の幼馴染で本当に良かったと思うよ』
・・・涼。
今までそんな風に思っててくれたの?
この何年間、私達ずっと距離を置いていたけど。
涼は、そんな暖かい目で見てくれてたの?
「(どうして)」
・・・ごめんね涼、大嫌いなんて言ったこともあったよね。
本当にごめんね。
私は感動の涙を流しそうになった。
胸が、苦しい。
「・・・グスッ」
「・・・宮比、泣いてるの・・・?」
涼は私の頬を優しく撫でる。
駄目だ、嬉しくて死んじゃうよ。
涼の汗が光る。
「な、いてなんか・・・」
「・・・おいで」
衝撃を受ける。
おいで、なんて。
私はとうとう堪えていた涙を一粒静かに流した。
「駄目、涼・・・私・・・」
『幼馴染』
ふいに幼馴染という境界線が私を押し返した。
駄目、私達・・・三歳も違うんだよ。
駄目・・・なんだよ、きっと。
すると、涼は。
「・・・宮比、僕の気持ちが分からない・・・?」
「(え・・・)」
・・・ギュッ
「・・・僕から、一生離れないで」
「(涼・・・)」
私の頭はドロドロに溶かされていて、現実味がなかった。
あんなサディスティックな涼が、甘い子供に戻っちゃうなんて。
一瞬、違う人かと思うほど。
「り、涼・・・まだ熱が残ってるんだよ・・・今日の涼、違う人みたい・・・」
私は涙を拭く。