LOVE IDIOT
ふと外を見ると、もう真っ暗になっていてビックリした。
なんか、早いなぁ。

しばらくして、私は涼の冷えピタを張り替えた。

「大丈夫?」

「うん・・・だいぶ治ってきた」

「良かった、タフだね涼は」

「・・・別に」

私は制服のネクタイを取る。
やっぱネクタイは息苦しい、慣れないんだよね。

「・・・なに、宮比僕のこと襲う気?」

「?!お、襲いません襲いませんっ!!」

さ、さっきはアクシデントだったけど・・・

「・・・別に襲ってくれても歓迎するけど・・・」

「いや、遠慮なくしません(泣)」

私は鍋からお粥をついで梅干しを二つのっけた。
そーいや昼から何も食べてなかったっけね・・・

「いただきまーす」



パクッ



「(ん、美味いっ!!!!)」

ホント、成功成功!
感動した私はガツガツと勢い良く食べていく。

これ、マジで美味しいよ!

「あ、そういえばさぁ!」

「ん・・・?」

「さっき、なんて言ったの?」

「・・・さっき?」

「ほら、あの時言ってたじゃん涼」



『本当に・・・宮比だよね・・・?』

『み、宮比ですけども・・・』


『・・・そっかぁ・・・』


『(これならいつも熱だったら良いのでは・・・?!)』



「・・・で?(そんな風に思ってたのか)」

「いや、ここじゃなくてその後の」



『・・・った』



「これっ!ねぇ、これなんて言ってたの?」

「・・・った?」

「うん、った」

すると涼は少し咳をしながら考えていた。
った・・・お粥、もうちょっと食べたか『った』。
いや、まだその時は食べてなかったもん。

・・・寂しか『った』?
テレビもうちょっと見たか『った』?

そんな馬鹿じゃないよね。

「ねぇ、なんて言ったの?」

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