LOVE IDIOT

剣道入部希望

なんだか悲しさ、いや、あまりの恐怖感のせいで地に足がつかない。
どうしよう、心臓がバクバクしてる。

手が・・・痛い。

私は今まで涼の全てを知ってると思ってきた。
でも、違ったみたい。

ポーカーフェイスでサディスティックで、学園一の美少年。
そして私の幼馴染み。

「(つか、なんで私こんなにイラついてる?)」

あれは、愛情というのだろうか。


 LOVE IDIOT
  剣道入部希望


だ、駄目だ・・・
さっきの痛みがまだ取れない。

「(まだ唇が熱い・・・)」

これじゃあ授業にも真剣に取り組めない・・・
どーしたら良いの?

私、生きてる心地がしないよ。





「宮比っ!!」

「はい?」

「お、お願いがあるんだけどっ!!」

「司先輩?どうしたんすか?」

私と華は向かい合わせでお菓子を食べている。
そして隣には汗ダクダクの司の姿が。

「お、お願いって?」

「み、宮比にしか出来ないんだけど・・・」

「(私だけ?)」





「剣道部・・・入って!!」





「「は」」

け、剣道部ってあの・・・むっさ苦しそうな剣道部?(失礼)

「嫌だっ!!(ドドン)」

「こ、断り方も男前!(華)」

「男前言うな!!」

私は帰宅部『命』ですから!そんな男前な部活、しません!!
しかもあの竹刀、重かったし!!



絶対、嫌だ!!




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