LOVE IDIOT
驚きを隠せなかった。
「えっ!?俺分かりませんでした!特に土岐さんがお金を両替して・・・ってところ!」
楽しそうに宿題のことで花を咲かせる俺達。
早瀬さんは相変わらず、髪が柔らかそうだった。
「あー!私もちょっと手こずって・・・」
それは、急に、起きた。
グラッ
「はっ・・・宮比っ!!!」
本当に急だった。
俺は突然の出来事にとまどった。
というか、止まった。
でも。
気付いた時にはもう、遅すぎて。
手を伸ばしても、早瀬さんは。
ダガァアンッ!
バサッ
ドサァッ
「いっつ・・・!」
色んな音が混じっていたのは憶えている。
「み・・・宮比・・・さ、ん・・・?」
幸い、生きてる心地はちゃんとしていた。
早瀬さんも、俺なりに死守した。
「だ、大丈夫ですか・・・!?」
何が起ったのは少ししか憶えていない。
とにかく必死で、とにかく早瀬さんを守りたかった。
途中で早瀬さんを強く抱きしめて、そんで。
床に、落ちた。
俺は少し手にかすり傷を負った。
でも、ホントそんなことどうでも良い。
打ったのが早瀬さんの頭じゃなくて良かった。
「み、宮比・・・」
初めてちゃんと名前で呼ぶ。
緊張はした、だけど今はそれどころじゃない。
俺達の周りにはたくさんのノートが散らばっていた。
「・・・っつ」
「!!!」
起きた。
お、起きた・・・!
「あたたたっ・・・」
「は、早瀬さんっ!?だだだ大丈夫ですかっ!?!?」
焦りと嬉しさがあった。
あの時の俺といったら、泣きそうなぐらい嬉しくて。
とにかく、嬉しかった。
「さ、斉藤さん・・・?」
「よ、良かったぁ・・・!!」