LOVE IDIOT


「う、うす・・・」


斉藤さんといると、冷や汗ばかりが出てくる。
つい、笑みがこぼれた。

斉藤さんは恥ずかしそうに、手を握り返して保健室まで一緒にきてくれた。





「ほら早瀬、手!」

ナオミ先生は手首を超強く握る。



「痛い痛い痛いっ!!(泣)」



「あ、ごめんごめん。日頃の筋トレのせいで」

「に、握り過ぎっ!!」

私は内心ヒヤヒヤしながらナオミ先生を見つめた。

「結構ひねったわねぇ〜・・・アンタ、なにしてたらこうなれるわけ?」

ナオミ先生はメガネを通して私を見つめ返してきた。
いや、なにしてたらっていうか・・・

「か、階段から落ちちゃったんです!!」





「階段から落ちたぁっ!?!?それなのにその傷!?」





「いや、私もホントなんでだか・・・(困)」

「悪運強いねぇっ!!凄い凄い!」

「そこまででもないっすけど・・・(今回だけですから)」

「でもこの前、泥棒捕まえたって!あれ早瀬でしょ?」

「あ、あぁ、そんなこともありましたっけ・・・」


でもあれ、結構前の話じゃなかったですか?


先生は救急箱から包帯と止め金具一つ、取り出した。

「ま、アンタどうせ男前なんて呼ばれてるんだから包帯で十分よ!!」

「(関係無ぇっ!!)」

「よ、良かったね早瀬さんっ!!!」

「う、うん・・・(そして本気で嬉しがるな斉藤さん!!)」


 * * * 



パチンッ



「オッケー、これで大丈夫でしょ!」

止め金具をつける。
私は席を立ち、ドアに手をかけた。

「ありがとうございましたー」

「あ、ありがとうございましたっ!!失礼します!」

「おー♪またいつでもいらっしゃい、気ぃつけろよー?(にこ)」





私は左手に巻かれた包帯を見つめる。

「いやぁ・・・」

「も、もう痛くないんですか?」

「ん、さっきよりはマシになったよ。ありがとうね、斉藤さん!」

「い、いえ・・・!///」

顔を赤らめる斉藤さん。




あ。




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