LOVE IDIOT
「ぎゃっ!?」



ドサッ



私は勢い良く床に押し倒された。
この体勢って今日で二度目なんすけどっ!!(泣)

「なぁ・・・コイツって昨日の泥棒退治の・・・」

「ああっ!『男前宮比』だろっ?!」

怖い。

体が言う事聞いてくれなくて、恐怖だけが植え付けられていた。

「ちょっと、離してよっ!!」

―――――駄目だ、犯される。







ガッタアアアァンッ!!







「(っ!?)」

後ろの方でなにかが倒れる音がした。

「なっ・・・今のなんだっ!?」

「わああぁぁっ!!」

「おいっ!笹塚が倒れてるぞっ!!」

私にとってはそれが、ただ唯一の助けだと思った。

そして、その予感は。





「宮比に触るな」





ずばり、当たっていた。

「り、涼っ!!」

「な・・・佐山っ!?」

ああ、もうなんか急に安心してしまって。
逆に胸がドキドキしてるよ。

涼、お願い。





「助けてっ!!」





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