LOVE IDIOT
キラキラと煌めく濃いピンク色のジャム。
苺アイスが何とも女の子らしさを引き出していた。

まるで華みたい。

上に乗っかったラズベリーと苺が華と司の様で。
なんとなくその光景が笑えた。

「うわ、それ一人で食べれんの?」

「うん、私いひご大好きだもん」

「(『いひご』て・・・)」

あ、生クリーム付いてる。

「華、ここ」

私は口の横を指差した。
華は一向に口の横に付いたクリームに気付かない。

「どこどこ?」

「いや、だからここだって」

「スコーンとアップルティーのお客様」

「あ、はい」

目の前に置かれる綺麗に透き通ったアップルティーといい香りがするスコーン。

「以上でよろしいですね?」

「はい」

そういうとその人は透明の筒に伝票を上手く丸めて入れて行った。

「「・・・」」

華と目が合う。

「・・・割り勘、だからね?」

「ちぇっ」

「いやいやいや」


 * * * 


「で、ケンカって?」

「とりあえず試着し終わってからそれ聞いてくれないかな華」

「駄目、今!!」

ちゃんと割り勘でお会計を済ませた私達一行は、少し歩いて見つけた50%セール中の古着屋に入った。



シャラッ



「どう?似合うかな?」

「・・・とても口では言えない微妙さなんですけど」

「えー!?」

「この白いワンピースとかは?」

「それ私持ってる」

あ、そうっすか・・・

「で、なにが原因でケンカなんて・・・また先輩襲ってきたの?」

「いや、まぁ・・・それもだけど。今回はちょっと違う(恥)」

確かに軽くキスは奪われましたけどね・・・



シャラッ



「これは?」

「却下」

「えー!?」


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