LOVE IDIOT
しぶしぶカーテンを閉める華。

「(!)」

ふと見つけた淡いピンクのTシャツ。
私は少しカーテンを開けてそれを華に渡した。

「これなんかは?」

「えー・・・」

「いいから着てみなよ」

「う〜ん・・・」



二分後―――――。



シャラッ


「・・・どう?」

「んー?」

私は携帯から華の方へと視点を変えた。

「・・・ぉおっ!!?」

「なにさその声!!」

これは・・・可愛い!!
可愛いよ華!めっちゃ似合ってるよ!!

私は思いあまってその場で華を携帯のカメラで激写した。


カシャッ!
カシャカシャッ!!


「ちょ、止めてよっ!!(恥)」

「いいよー!いいアングルだよー!(ノリノリ)」

「私はグラビアアイドルかっ!?」



シャラッ



華はそういうとカーテンを閉めてしまった。

「えー・・・(もうちょっと撮りたかった)」

「えーじゃない!!」

「それ買うの?」

「・・・買う!」


 * * * 


「ありがとうございましたー」

私は携帯を見た。
午後四時四十五分。

「どうする?帰る?」

「んー・・・まだ佐山先輩とどうなったか聞いてない・・・」

「とか言って、もう駅についちゃったけど」

「えー・・・」

と良いつつも華はカバンから定期を取り出した。

「涼のことはメールか電話するよ」

「電話ー!!」

「分かった、電話する」

「じゃ、デートの報告待ってるよー!!」

「じゃねー!」

華の可愛い後ろ姿がだんだん小さくなっていく。
階段を下りて・・・

「・・・よし」

私は携帯を見た。

『新規受信メール一件』


ピピッ


「(早っ)」

さっそく華からだった。


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