LOVE IDIOT
私は携帯をポッケに入れて、部屋のカーテンを閉めた。
もうすっかり真っ暗闇で。

ちょっぴり光っていた星が綺麗だった。

「・・・」

何日間涼に会っていないんだろう。
なんだか心がそろそろ折れるぞ私。

「・・・はぁー」

明日かぁ・・・
あ、そういえば髪型どうし―――――。



プルルルッ!
プルルルッ!



「!?!?(ドキッ)」

び、びくったぁ・・・
私は携帯を取って電話に出た。

「も、もしもし?」

『あ、早瀬さんっ?』

斉藤さん!

「どうも!」

『なんかさっきはすいませんでした・・・めちゃくちゃうるさかったですよね・・・』

そういや、もう斉藤さんの後ろにはなんの轟音はしなくなっていた。
風の音だけが通る。

「で、どうしたんですか?」

『あ、そうそう。明日のことなんですけど、待ち合わせどうします?』

あ、あぁそういえば!!

「すっかり忘れてた!どうします?私どこでも良いですよっ」

しばらく考えると、斉藤さんは張り切った声で言った。





『じゃあ、猫コマチの前で!』




・・・猫コマチ?


 * * * 


早瀬宮比、久々のポニーテール。
お母さんのブーイングにも負けずに張り切ってしてきました。

そして、今。
午前十一時半。

あの、『猫コマチ』の前で。

「っつても・・・」



斉藤さん、肝心のあなたがいませんですけど!?



「(は、早すぎたのかなぁ・・・!?)」

いや、そんなはずは・・・





「早瀬さーん!」





「!」

この声は!?

「電車が混んでまして・・・遅れました?」



王子、ご到着いたしましたぁ〜!!




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