LOVE IDIOT
ふと私を呼び止めた倉橋さん。
なんだかもじもじしていた。

「ぶ、文化祭、頑張りましょうね!」

明るい笑顔で私にそう言った。

つられて私も、





「・・・はい!頑張りましょう!!」





自然に、答えていた。





  *一日目*  


「おい美術ー、ここ曲がってんぞー」

「てかトンカチどこ行った!?」

「私の絵の具はー!?」

順調に仕事は進んでいた。



「えー!?茶色からグレーですか!?」



「(ん?)」

「ごめんなさい、でもその方が絶対良いと思うんです」

「そんな・・・急に言われても・・・」

「大丈夫、まだ時間はたっぷりありますので。お願いします」

美術部が塗っていたシンデレラの家の壁。
藤堂さんは茶色からグレーに変えろと言っていた。

ほとんど塗ったばかりなのに・・・出来るのかな?



「おい早瀬!ちょっち、衣装合わせ!来い!!」



「あ、はいっ!」

「あと佐山と池之宮も!!」

「はーい!!」

「はい」

私達はその場を後にした。





「じゃあ、とりあえず身長から計るねー。最初は涼くん」

「はい」

り、涼ってそういや何センチだったっけ・・・?

「背伸びしないでねー」

計ると・・・



「ぴったし170!次、華ちゃん!」

「170っ!??!」

私は涼に向かって叫んだ。
ありえないっ!!

「背伸びした!?」

「する訳ないでしょ」


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