LOVE IDIOT
ガラッ
「ていうか涼は・・・って、オォー!?」
「なにこれー!?!?」
目の前にはなんと家が一軒!!
「あ、宮比ちゃん!」
絵の具だらけのカーディガン。
ってあらっ!?
「藤堂さん!?」
「見て見て!」
ちょっとなにこの家!
影が上手く描かれていて最初、マジで教室に家があったのかと思った。
めっちゃリアルなんですけど!?
「すごいでしょ!これ美術さんが作ったんだよ!」
「すごっ!こんな短時間で!?」
「うんっ、私も手伝ったから。あとこの人も!」
「(この人?)」
手を向けた先には。
「なんかお久しぶり!」
「司っ!」
「司くーん!!(///^3^///)」
クラスのど真ん中で司を抱きしめる華。
少し驚いている。
「も〜、司ったらこの頃、私に冷たくしてたでしょ〜??」
「ごめんね、部活とかが忙しくってさ」
「華、超さびしかったっぁ〜!!」
く、クラス全体が甘い空気に包み込まれる・・・
てか甘過ぎ!!
「・・・宮比、僕達もあれぐらいやんないと駄目?」
「いや、むしろ嫌だ・・・」
* * *
「倉橋さん、ここはもうちょっと分かりやすくしたほうが良いかも」
「あ、じゃあここのシンデレラはこういうふうに・・・」
美術部が帰った後、私達はミーティングが終わるまで藤堂さんを待っていた。
ドアの窓から藤堂さんと倉橋さんが見える。
「ねぇねぇ」
小声で華が言う。
「なんか、あの二人・・・」
「うん・・・いい感じだよね」
「付き合ってたりして?」
「いや、それはないよー」
「そうかなぁ?」
ガラッ
「(ドキッ)」
び、びっくりしたぁ。
藤堂さん、急にドア開けるから。
「宮比ちゃん、悪いんだけど・・・まだ終わらないっぽいんだ」
「マジ?」
「私達、待ってますよ?」
「いや、大丈夫。先帰っててもらっていいからっ」