LOVE IDIOT
あー、尋問だ尋問・・・
いや、むしろ拷問の方が合ってるんじゃ・・・



「早瀬、池之宮、それ佐山!あと他の役の人は衣装合わせ!」



「はーい!」

「今ですかー?」

「今に決まってるんでしょ!!早く!!」

周りを見渡すと、忙しく走り回るスタッフ達。
私がどれだけ楽なのか、実感した。


 * * * 


「あのね、早瀬さん。どうしたら一日で一キロ太れるの?」

私は今、あの憎たらしい『体重計』に乗っている。

「でも、一キロくら―――」

「『くらい』じゃないの、『も』なの!」

昨日の眼鏡衣装がかりさんは私に怒った。
いいじゃん別に・・・一キロ『くらい』・・・(泣)

「まー、いいや。まだ未完成なんだけどちょっとみんな試着して下さい」

「はーい」

「うっす・・・(へとへと・・・)」





「着れましたかー?」

良かったー、マジで本当に良かったー。
入ったー、たった一日で一キロ『も』太ってたけど一応入ったー!!

「入った入った入ったよ華ー!!」

私は嬉しさのあまりカーテンを勢い良く開けた。
と、その瞬間。





ブチッ!!





え。



「ぶ・・・ち?」



「ぎ、ぎゃー!!///」

「ちょっと早瀬さん、ブラウスのボタンがぁーっ!!!」

「伊藤っ!至急、糸と針っ!!」

「宮比ぃー!?!?」


ブラウスのボタンが、弾けぶっ飛んだ。


「私の馬鹿ぁーっ!!///」

なんでいっつもこうな訳っ!?!?





「ぃ、一応は応急処置したけど・・・」

駄目だ・・・さっきの事が頭から離れない・・・
絶対、絶対にブラ見えてた・・・!!

でも、確か涼はまだ着替えてたはずっ!

大丈夫、見られてないって!!

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