LOVE IDIOT



流れる赤い、血。



「・・・っ」

ヤバい。
さっきの思い出したら震えが・・・



ピタ



誰かの手が私の頬に触れている。





「宮比、大丈夫?」





「涼・・・」

「顔色、悪いよ」

手、温かい。

「あ、うん・・・ちょっとさっきの血が・・・」

汗がどんどん吹き出してくる。
フラフラだ私・・・

「宮比も保健室いく?」

「いや・・・逆にまた思い出しちゃうから・・・ありがとうね涼」

「ん」



涼はそのまま優しく、私の手を握っててくれた。



 * * * 


涼のおかげか、さっきまで酷かった震えもすっかり治っていた。
相変わらずクラスは文化祭の用意で大忙し。

「藤堂さん、ここどうしたら良いですかぁー?」

「あ、そこは角の方に寄せて下さいっ」

「藤堂さん、この色ってどうですか?」

「それはもっと濃い方がいいですっ」

特に、藤堂さんは休む暇もなく動き回っていた。

「あんま無理しない方がいいよー藤堂さん」

「華ちゃん」

「すっごい疲れてるっぽい、少し休みません?」

「んー・・・じゃあこの次にあるミーティング終わらせてから休むね、ありがとう二人共」

そう言うと藤堂さんは倉橋さんと生徒会室に行ってしまった。
なんか、後ろから見るとカップルに見える。



・・・のは私だけ?



「・・・普通にお似合いだよね、あの二人?」

「だよねっ!!」





「・・・よし、修正終わり!後はコンピューターで打ち直すだけですねっ」

「はい!あ、ありがとうございました!!」

「決定版の台本は明日お願いします、役者さん達に渡さないといけないので」

「は、はい!」

「じゃあ、お疲れさまでしたっ」


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