LOVE IDIOT
私はドアノブに手をかけた。





「あ・・・あのっ!」





「はい?」

「えっと・・・その・・・」





「そ、その・・・ぶ、文化祭が終わったら・・・だ、大事な話があるのでっ・・・!///」



「・・・終わったらですか?」

「は、ははははい・・・!!///」

文化祭の後に、大事な話?
倉橋さんの真っ赤な顔をのぞきこんだ。

「大丈夫ですか?倉橋さん、ま、真っ赤ですよ?」

「い、いつものことですので・・・!!!」

いつものことなんだ。

私は倉橋さんに答えた。





「・・・はい、分かりましたっ」





そう言い残して、私はドアを閉めた。



「・・・やった・・・///」



  *四日目*


文化祭まで、あと三日。
あと三日。

なのに。



「『こ、この靴を落としたのは・・・あ、貴方様でしょうか・・・っ!』」



「はいカット!!」



またかよ・・・!

「早瀬さん!何度も言わせないでよ!無駄な緊張いらないからっ!」

「そうだよ、どうせ相手は『私』なんだから」

「ていうかさぁ・・・涼、その格好・・・」

「ん?なに?」

そう、私達は今舞台の練習中。
昨日やっと出来上がった衣装を着て、演技をやってみているところだ。

そして今、やっとのことで終盤まで来かかっている。

「どうしたの『王子』、なにか『私』の顔についてる?」

「止めろその口調っ!!///」

「なに『おっしゃるの』宮比『王子』」

「お、お願いだからぁ・・・!!」





最高に、涼のお姫様口調が気持ち悪くて演技に集中出来ないのだ。





「しょうがないじゃん、僕お姫様なんだから」

「いや、そうだけどっ!!」

「受け入れて?」

「可愛く言い直すなっ!///」


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