LOVE IDIOT
終幕

踊り明かそう

ガラスの靴が残されていた。

僕はそれを拾った。

月明かりに照らされたそれは、

とてもとても美しく、

これを履いていた姫を、

欲しくなった。

いつかきっと、

君を、見つけ出すよ。


 LOVE IDIOT
  踊り明かそう


「『ビビデバ○デブー☆』」

「『わぁ、凄い!かぼちゃが馬車になるなんて!!』」

「『さぁ、これでお城に行くんだよシンデレラ』」

「『ありがとう魔法使いさんっ!』」

「『その前に、絶対に十二時には帰って来るんだぞ。じゃないと魔法が解かれ、シンデレラ、せっかくのドレスもぼろぼろに戻ってしまう。約束だよ!』」

「『まぁ、それは大変!必ず守りますわ!』」

「『こうして、シンデレラはかぼちゃの馬車で王子の元へと城へ急ぐのでした・・・』」



「はい、カット!素晴らしいよ涼くん!!」



もう見て分かると思うけど、シンデレラは涼、魔法使いは華。
私的に、役がはまりすぎていて逆に気持ちが悪い。

とくに涼。

まず性別がおかしなことになっている。
かぶっているカツラが似合い過ぎ。

むしろ怖いくらい。

「どうだった私の迫真の演技はっ!!」

「あーうん、素晴らしいでした」

「『でした』!?なんか日本語おかしいよ!?」

「いや、ちょっと、気持ち悪い人が目の前にいる」

「私っ!?」

「違うから」

水色のドレス、金髪カールのカツラ。
キラキラメイク、ピンクのリップ、ナチュラルマスカラ。

私がどう頑張っても似合わないものが、涼に似合う。



それ、どういうことよ?



「どう?僕の演技は」

ファンデーションだけ塗ってないって・・・
うぜー、超うぜー美肌。

「最高。ちょー気持ち悪かった」

「ザックリくるね、似合ってるよそのプリンス衣装」

「うん?なんだい?そんなぐりぐりメイクが似合ってなにが楽しいこの女顔!!」

「うわ何?嫉妬?僕の美顔に嫉妬ですか?」

「な、ナルシストめ、死ねぇーっ!!(怒)」





どうせ私は男前ですよっ!!(ナルシスト)






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