LOVE IDIOT
「(つか暑・・・)」

雨の後のせいか、外はなんだか蒸し暑くて。

天気は良かった。
日の光が涼と私を照らす。

ふいに盗み見る涼の横顔に暖かさを感じた。

「・・・」

「宮比?」

「っ!!いや、ななななんでもないよっっ?!!?」

「(僕まだ何も言ってない・・・)大丈夫?」

「アイ・アム・パーフェクツ☆(無理だっ!!)」

「・・・」

心臓が爆発しそうになる、こ、このままじゃ私死ぬぞっ・・・!!
私は髪を一つ結びにする。

早くみんな来いっ!!





「ゴメン遅れたっ!!」

「宮比ぃー!会いたかったよぉっ!!」

10分後、二人はようやく到着。
一体なにがあったんだと言うんだ。

「司。遅い」

「しょ、しょうがないですか!電車混んでたんですからっ!!」

そして涼は容赦なく司を刺す。
表情があからさまに違う(違いすぎる!!)

「華、どうしたの?」

「ちょ、ちょっと痴漢にあって・・・!」





痴漢っ!?





「はっ!?そ、それでどうしたのっ!?(やっぱ華と来れば良かった!)」

「いや、そこにちょうど清水先輩がいたから良かったんだけど・・・その後の事情聴取で時間が・・・ゴメンね!!」

ち、痴漢て・・・!!
私なんかこの14年間、一回も痴漢なんてされなかったよ・・・(ちょっとショック)。

「まぁ、しょうがない。箱根行きのバスは11時半からなんだけど」

「11時半?」

今って何時よ?
腕時計を見ると。





「ゲッ!!今って11時26分っ!!?!」





「う、嘘っ!?」

「ヤバいね」

「涼さん、なに呑気にしてんですか!!早く行きましょうっ!!」

「うるさいな、すぐそこがバス停なんだから大丈夫・・・あ」

「えっ、な、なにどうしたの涼?」

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