LOVE IDIOT
「あ、宮比ちゃん!!」

「おー藤堂さん、もう仕上げですねー」

藤堂さんの後ろを見ると、舞台のセッティングがほとんど完成間近だった。
すると、



「清水くんが道場に来てって!!」



「え?」

「司?なんで?」



ドタドタドタッ!!



「ど、道場破り!!隣の学校の道場破りが来たぞっ!!!」

急にうちのクラスに入ってきた男子。
確かコイツ、うちの剣道部にいた。

「へっ!?道場破り!?」

「今時そんなことやる奴いるんだ」

「宮比ちゃん!早く行ってあげた方が・・・」

そ、そうだ。

「じゃ、後よろしくね涼!」

「あ、宮比待って」

「え?」

すると涼は急にベストを脱ぎ出した。
な、なにっ!?///

って、なに私は照れてんだっ!?



「―――僕も行く」



「はっ!?」

「なんか、その道場破りって見当着いてるんだよね」

はいっ!?
涼の言っている事が全く分からない。

「先輩!早く!!」

男子が呼ぶ。

「・・・分かった!でも出来んの?」

「なにが」

「何って・・・剣道」



「ん、手刀」



「はぁっ!?!?」

「先輩っ!!」

「い、今いく!!」

し、手刀っていまどき!?
道場破りっつったら、やっぱ乱闘でしょ!?(まぁ、違うかもしれないけど)


そんな手刀なんて。


「・・・まぁいいや!!とりあえず急ごうっ!!」

「いざとなったら宮比がいるし」

「私っ!?」





「守ってね―――――王子様」






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