LOVE IDIOT
振り上げる竹刀。

「・・・っ!!」



ズドンッ!!



「っち、避けたか」

「(ドクドクドクドク)」

あ・・・あぶねぇ・・・!!(死)

「殺す気かアンタっ!!(泣)」

「死んで当然の報いだっ!!」



パシィッ!



「あの時は、ひ、瞳ちゃんだっけ!?あの子、嫌がってたじゃん!!」

「あれはただの照れ隠しだ!!」

「どこがよっ!?」



パシィッ!



二三ヶ月前、私達剣道部は県大会があった。
そして優勝戦。

『会長、次ですね』

『あぁ、相手は相当手強いらしいな』

優勝戦は会長と有隣高校の二年、西野勤とかいう奴。
優勝三連続という優秀な相手だった。

十分休みが入って、私がトイレに行こうとしていた時。





『触んないでよ変態っ!!』





『(!?)』

女の子の叫び声が聞こえた。
ていうか、変態っ!?

『なぁ、この優勝戦、俺が勝ったら付き合えよ』

『嫌だブサイク!!ウザい!』

『あぁ?誰に向かって口聞いてんだっ!!』

手をあげる。



ぱしっ



『女の子になにやってるんですか』

いてもたってもいられなくなって、私はとうとうその場に出てしまった。

『なんだお前!?』

『嫌がってるじゃないその子、好きならもっと優しくできないわけ?』

『ぅ、うるせぇっ!///』

『っ!』

急に竹刀が振り下ろされた。



バシィッ!!



『・・・』

『・・・?』





するり。





『え』


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