LOVE IDIOT
「で、なに聞いてたの」

「あ、涼知ってる?最近人気になってきたバンドなんだけどさぁ・・・」

「もしかして『シガレット』?」

「そーそー!!私この頃ハマっちゃったんだー!」

そう言い、宮比は僕にイヤホンの片方を渡す。
いっきに近づく距離、ただ目の前の席が邪魔する。

ねぇ、宮比は知らないでしょ。
今聞いてる曲がどんな意味だか。

「でも、この曲だけイタリア語で歌われてるからなんて言ってるのか分かんないんだよねー」

宮比は笑う。

「(・・・)」

「・・・アモーレ」

「へ?」

「これぐらいのイタリア語は知ってるでしょ」

「ぇ、え、し、知らないんだけど。なにそれ、どういう意味?」

「へー知らないんだ、じゃあ秘密」

「はっ!?」





『愛してる』





さすがの僕でも知ってるよ。

「えー!?なになに、どんな意味!?」

「秘密」

「えぇっ?!」

まぁ、言ってやっても良いんだけど。

「宮比、知りたい?」

「当たり前じゃん!!」

多分、宮比の心臓が保つかどうか。
僕は保証出来ないよ?

「じゃあ、耳貸して」

「(なになに??)」

楽しげな宮比、ああ、壊したくなる。







「―――――愛してる」







「・・・えっ!?!?!?///」

「・・・って、意味」

そういうと宮比は顔を真っ赤にして。

「(し、心臓止まる・・・!!)」

「(面白いなぁ)」



まぁ、僕からでの意味でね。



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