LOVE IDIOT
そしてしばらく山の中を歩くと。

「宮比、着いた」

「ん・・・(どこだここ・・・)」

そして目の前を見てみると。





「な・・・なんじゃこりゃあっ!!!」





もう、なんか、説明出来ないほど豪華な旅館で。
私は一瞬『なにここ、とうとう三途の川来たか?』とか。

いや、つか、どこぞのぼっちゃんの城ですか。

「(あ、ありえない)ごめん、ちょっと私、幻想が見えるんですけど・・・」

「わ、私も・・・」

「り、涼さん・・・本当にココっすか?間違えてませんか?」

「自分の『家』間違える奴がいる?よいしょ」

「わぁああっ!!?」



ひょい



ま、またこの体勢・・・
今になってはもう慣れたけど、まさかこれで旅館に入るんでは・・・

「り、涼、このまま旅館に入るつもりじゃ―――――」

「さ、行くよ」

「(待て待て待てっ!!!)」

私は思いっきり暴れて降りようとしたが、どっちにしろまだ気分が悪くて動くことも出来ない。
しょうがない、ここは涼に任せよう。

・・・いや、やっぱ降りたいかも。

「りょ、涼・・・降ろせぇ・・・!」

「嫌だ、つか降ろしても宮比まともに歩けないじゃん」

「(ご、ごもっともですが!)」

「宮比って愛されちゃってるよね♪」

「ですねー」

「お、おい二人共っ!!(泣)」

「はい静かに、とくに宮比」

「うぅ・・・!!(後で殴ってやる!!)」

地面を見ると、凄く自分が今高いところにいることを改めて知る。
いつから涼はこんなにも伸びたんだろう。

涼の横顔は凛々しくて。

私はまだチビだと思い知る。

「(気持ち悪い・・・)」



旅館はもうすぐそこだ。



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