LOVE IDIOT
「さ、長旅でお疲れでしょう?滝の宮旅館、一番の部屋を用意しますよ」



「「「い、一番っ?!(とたんに笑顔)」」」



「あぁ、『時の間』ね。あそこは最高だよ」

「えぇ!他のお客様も御用達されてますよっ」

す、すでに建物が高級なのに・・・
この一週間、無料で最高級な部屋に泊まれるなんて!!

「涼!もう気分良くなった!!」

「まだ顔色悪い」

「いや、もう大丈夫!!」

私はとびっきりの笑顔を涼に見せた。
どうだ!これでも顔色悪いなんて言わせないぞっ!!

「ま、宮比がそういうなら」

「(よっしゃっ!!)」

「「(涼さん、宮比には甘いんだなぁ)」」


 * * * 



ガラッ



「ここが『時の間』でございます」

「うっわ・・・!!」

「凄ーい!めっちゃ広い!!」

「景色が良いですねー!」

もうみんな部屋に入ってテンションは急上昇、最高どころか天にも昇る気分だ。
ありがとう涼様!!

「では、しばらくしたらお茶をお持ちして来ますので、それまでおくつろぎ下さい」





ガラッ





そう言い、美土里さんは静かに去って行った。
なんだここ!!織田信長でも住んでたのかっ!?(ないない)

「まさかここが涼さんの家だなんて・・・」

「あ、ありえない・・・」

「子供の頃の家がここ・・・」



「「「羨ましぃいい!!」」」



「あそ」

目の前には大きなテーブル、綺麗に整った生け花。
一キロメートルはあるんじゃないだろうか、それほど窓が広い広い。

つか、私ここに永住して良いっすか!?

「(ヤバいよここ!!凄すぎだよっ!)」

迫力満点、失神寸前な私。
この一週間は学校の事、完璧に忘れよう!!

高級旅館を大いにエンジョイするのだっ!!

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