LOVE IDIOT
「!?!??///」





バクバクバクバクバク





京さんの額が私の額に。
顔が、ち、近い。

そんなに、近くならないでおくれ!!!!

「ん〜、熱はないか。ま、しばらく寝てれば大丈夫でしょ」

「は、はい・・・///」

京さんは離れると、私の頭をポンポンと優しくなでた。
目、が、ヤバい・・・

視線を合わせられないほど、ドキドキしてるなんて。

初恋以来の気持ちだ。

「(ご、ゴメン涼・・・また京さんに会ってしまったよ・・・)」





『宮比、アイツとは二度と会わないで』





罪悪感・・・?

なんだか嫌な気分になりつつ、心臓が高鳴ってるだなんて。
心地は、良くない。

「じゃ、俺は仕事に行くわ。体に気をつけてね」

「あ、はい!ありがとうございましたっ」

「ん(にこり)」

京さんは襖に手をかける。
と、急に京さんの動きが止まった。

「そういや言い忘れてたんだけど」

「(?)」

「明日うちの旅館で毎年恒例の打ち上げ花火があるんだけど、良かったらみんな来てね」

「花火!?やったー!宮比が元気になったらみんなで行きます!」

「良かったなー宮比!」

「あ、ぇ、うんっ」

花火か・・・今年の夏はまだ見てなかったなぁ。
そっか、花火かぁ!

やった、早く元気にならないと!

「それじゃ」





パタン





「「「・・・」」」

でも・・・なんだろう、説明出来ないこの空気。
モヤモヤを消して去った京さん。

あ、あなどれない。

「なんか・・・」

「うん・・・」

みんなも思ってるみたい。
この感じ、なんだろう。

「俺、思ったんだけどさぁ・・・」

「なに?」



「京さんって・・・涼さんに、似てない?」



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