LOVE IDIOT
唐突に言い出す司、華は考えこんでいる。
でも、私も涼と京さんは似てると思う。

ていうか・・・似すぎ?

「あぁー!!確かに!結構似てるかも!」

「でしょ?なーんか誰かに似てると思ったんだよな」

「それ、私前から思ってた」

「マジー?!」

「目の色とか、雰囲気とか、なんか・・・仕草とか」

「うん、似てる」

確かに、似てる。
でも、そんなに気にすることじゃないかなぁ。

私はまたふとんに入った。

「じゃ、私また寝るね」

「あ、うん。ゆっくりしてね」

「はーい」

「無理するなよ」

「はーい」

そういうと二人は静かに部屋から出ていった。
日の光が暖かい。


 * * * 


暗闇の中、私は歩いていた。
道は適当、光は見当たらない。

空気はあったような、なかったような。



『みんな、どこ?』



息が吸い取られていく。
血の気がいっきに下がる。

一粒の光。



『なに?』



不思議な音、耳が痛くなった。



ドーン!



その一粒の光は色んな方向へと散らばって行く。
粉になって、暗闇へと去って行った。



『宮比ちゃん』



誰?
あなたはどこにいるの?



『宮比ちゃん、こっちだよ』



どこ、どこ、どこ。





「―――――宮比」





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