LOVE IDIOT




バタンッ!





「・・・」

怒ってた。

まぁ、無理もない。
あれだけ散々されておいて、相手が覚えてないんだから。

「・・・馬鹿だな僕も」

本当は覚えてる。
完璧に、鮮明に、宮比の一つ一つ覚えてる。

嘘着いたのは、振り向いてほしかったから。

なんでアイツなの?

「(宮比)」

ごめん宮比。



しばらく、嘘付かさせてもらうよ。



 * * * 


「こ、ここどこぉー!?」

池のある庭、長ーく続くピカピカに磨かれた廊下。
目の前には・・・『関係者以外立ち入り禁止』。



どこだここ!?



「(どーしよう・・・迷った・・・!)」

ていうかどうやって私ここまで来たんだ!?
道のりさえ憶えてないよ・・・

「うぅ〜・・・(駄目だ、泣くな自分!)」



トン、トン、トン



「(や、ヤバ。誰か来る!)」

どうしよう、どこに隠れたら良いのかな!?
私は思わずしゃがみこんだ。

「もぉ〜・・・!!」






「・・・早瀬・・・宮比ちゃん?」






「え」

私を知ってる?


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