LOVE IDIOT
あゎゎわわわわ・・・!!
どうしよう、私めちゃくちゃ無礼なことしでかしてしまった!

社長に言った最悪フレーズ達が私の頭を駆け巡る。



『触んなっ!!』

『いい加減にして下さい!何回言ったらすむんですか!?』



そしてトドメの一発。





『社長だかなんだか知らないけど、嫌がってるんだから大人として引き下がりなよっ!!』





「ヤバいヤバいヤバい!!(恐怖)」

「な、なにがどうしたの?お、落ち着いて宮比ちゃん!!」

私は昨日の事、京さんのこと、その他もろもろを佐山さんに言った。





「あ〜・・・ヤバいね、あの社長さんあと3年したらココと『鳳凰旅館』とで合併する事になってたんだけどね・・・」

「うっそお!?!?」

あ、あのメタボリック星人・・・
そんなに金持ち社長だったの!?

「ご、ごめんなさい澄さん!!わ、私があんなこと言わなければこんなことには・・・!」

「あー、良いのよ。もう過ぎた事だし、それは社長が悪かった!」

「(ち、澄さま・・・!!)うぅ・・・!」

「よし、しょうがない。私の大切な子にセクハラするなんて!キツ〜いお灸を据えなきゃね!」

「(お、男前!!)」

「ま、とりあえず宮比ちゃんは自分の部屋に戻らなきゃね」

あ、あはは。

「(そ、そうでした)はい!」


 * * * 



ガラッ



「宮比ちゃ―――あれ」

いないかぁ・・・
せっかくアイス買って来たのに。

「しょうがねぇな(冷蔵庫にでも入れとくか)」





「―――――ねぇ」





「!」

俺は後ろを振り向く。
・・・コイツ。

「俺の後ろとるなんて、お前も成長したなぁ」

「うるさいよ」

「相変わらず憎たらしい口きくな、何の用だよ?」

「それはこっちが聞きたいね」

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