LOVE IDIOT
「テメーらぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃと・・・うるさいっちゅーねん!!良いか?ここはあと三年で『あの』鳳凰旅館と合併するかしないかの瀬戸際なの!この大変な時期に貴様ら・・・気を引き締めなさいっ!!」

「(ひぃぃっ!!)」

ていうかさっきまで『合併する』って言ってたのに、最後に『瀬戸際』になってるし!!
やっぱり私のせいだよねっ!?ねっ!?(泣)

「「すいませんでしたぁっ!!」」

「以後気をつけるように!!」

「「はいっ!!」」

「(す、凄い・・・!)」

な、なんだこの迫力は!
うちのお母さんでもこんなに怒ったところ見た事ない!



こ、今度から澄さんを敵にまわすことは避けよう!!



「じゃ、私はまだ仕事が残ってるから、宮比ちゃんはゆっくりしていってね(にこり)」

「あ、はいっ!お、お言葉に甘えて!」

こんなんじゃくつろげねぇ!

「じゃあねぇ〜」





ぱたん





「・・・うはぁ・・・!」

抑えていた汗がドッと出る。
心臓が急に速度を増し、手と足が震え始めた。

こ、怖かったぁ・・・

「(あ、嵐のように去って行ったな・・・)」

「宮比、大丈夫?」

「ち、澄さんがあんなに怖いなんて・・・!」



し、知らなかった・・・!!



「・・・俺もう行くわ、夜遅いし」

「あ、じゃあまた明日!」

「・・・」

「うん、また明日」





ぱたん





「宮比、汗が―――――」

涼の手が私の頬に触れる。
目は未だに合わせられない。

「・・・涼、まだ私怒ってるよ?」

「・・・」

・・・心配、してくれるのは嬉しいんだけど。
ホント、涼がなにも憶えてないって思うと。



む、胸が痛い。



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