LOVE IDIOT
私は慌てて浴衣をもう一度直し、なぜか目を強くこすった。

何度も何度も。

「(ヤバい、京さんがカッコ良過ぎる!?///)」

「・・・宮比ちゃん、俺かなり凄いカミングアウトするけど良い?」

「(このタイミングでっ!?!?)」

京さんは(じゃなくて私は)心の中で叫んでいた。



『涼、早く!!!』



花火も始まらないし、涼も来ないし、京さんにカミングアウトされそうになるし。
どういう一日だよまったく。

そして、私は目をつぶった。

強く、強く。

「(逃げるな自分)」








「―――――俺、もう宮比にキスしそう」








涼、早く!!!!!!

「(泣きたいよもう!!!)」

胸がドキドキ弾けすぎて、痛い。
耳鳴りが私を襲う。

そして、京さんの眼差しが私の胸を貫く。

「きゃっ・・・!?」

京さんの手が私の首の後ろをなでた。
くすぐったい、そして強く引き寄せる。

顔がすごーく、近い。

「き、京・・・さ・・・!?」

「俺、ずっとこの時を待ってたんだ」

「(どの時ッスか!?)」

こ、この時って!?
キスする時のことっすか!?


 * * * 


僕はやっと裏庭に着き、宮比を探しまわった。
メールは何度、送っただろうか。

でも、一つも返信が来なくて。

「(あ、宮比)宮―――――」

僕はその場を、ただ見つめるだけしか出来なかった。



「宮比ちゃん・・・俺にしときなよ」



兄貴が、京がいるなんて。

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