転んだら死神が微笑んだ
きっと、わたしが何を言ってもムダそうだから、タカシに助けを求めようと、後ろを振り返った。


すると、コイツはさっきまで、上着を脱いでたくせに、びしっとボタンまできっちりしめて、スッと立っていた。

貴志「いいえ。なんか誤解をされているようですけど、ボクとあかりさんは、ただのお友だちです。それに、ただ家が近所というだけですし、一緒に歩いているのは、そういった都合上の問題なんです。」

さすがに今回ばっかりはツッコもうと思ったけど、二人の手前なかなかそれはできなかった。

いったい、何なの?コイツの豹変ぶりは。

いきなり『ボク』なんて言って。

似合わないっていったらないし。
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