転んだら死神が微笑んだ
貴志「わかった。で、どうすりゃいいの?」

あかり「信じてくれるの?!」

貴志「信じてほしくないのかよ?」

ううん、とわたしはすごい勢いで首を振った。

貴志「この話が結局のところどうかなんてどうでもいいよ。俺はお前のこと、信じてるからよ。だいたい、そんな悲しい顔してるのに、ほっとけるかよ。」

ひさびさに、こんなタカシの真剣な顔を見た。

あかり「ありがと…。」

貴志「お前がやれるとこまで、やってみようぜ。」

あかり「うん。」

貴志「それで、これからどうする?」

あかり「…それは…。」

貴志「何も考えてねーのか…。」

タカシは横のブランコに座って、こぎはじめた。


わたし何がしたくて、今ここにいるんだろう?

何も考えずに飛び出してきちゃったのか…。

貴志「とりあえず、この工場に行ってみるか?」

タカシは、住所の書いてある紙をピラピラとさせて提案した。

あかり「そうだね。とりあえず坂口さんに、このこと言わなきゃ。」

貴志「言ったところでどーなるかなんてわかんねーけど、動いてみるか。」
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