転んだら死神が微笑んだ
山田「待て!坂口〜っ!」

貴志「そうはさせるかよっ!」

タカシはおじさんに飛びかかり、もみ合いになった。

山田「か〜っ!もうせからしかーっ!」

力いっぱいに振りほどかれる瞬間、タカシはかばんごと飛んでいった。

山田「あ!しまった。」


貴志「イテテ…。ん?何だこれ?」


タカシはその抱きかかえているかばんの異質な感じが気になり、モゾモゾさせていた。

貴志「硬てぇーな、これ。」

山田「おい。それ以上そいつに触るんじゃねぇ。」

ジジジジジーッ…

かばんのチャックを開き、中のものを取り出す。

貴志「お?……。う、うわぁああ!」

タカシが持っているものは、長い銃だった。

貴志「マ、マジかよ…。ライフルって…。」

山田「そいつを渡せ!」

貴志「ホントに、あのおっさん殺す気かよ。」

山田「ああ。それはおもちゃなんかじゃない。人殺しの道具さ。」

あかり「貴志!!逃げて!」
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