転んだら死神が微笑んだ
あかり「そんなの、ダメだよっ!」

わたしは思わず叫んでいた。

だって、そんなのダメじゃない。

あかり「坂口さんは、何も知らなかったのに。たくさんの人に喜ばれるためにがんばってただけで…。いい人なのに!」

山田「『いい人』?」

山田「いい人だったら、何をしてもかまわないって言うのか?」

あかり「それは…。」

貴志「でも、殺さなくったっていいだろ?まだ、完成してねぇんだから。作らなきゃいいだけだろっ?!」

山田「作るのをやめたところで、それですべてが解決したりはしない。作るのをやめれば、それを悪用する奴らは執ように迫ってくる。どんな手を使ってでもな。」

貴志「どんな手でも…。」

山田「昔話をしてやろうか…。あるろくでもない男の人生の転落の話さ。」

貴志「何のために?」

山田「いいから聞け!!」

貴志「ああ…。」
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